皆さんは予知夢を信じますか?
オンドリ第一回目のコラムは、
かつて本当にあった「火山の噴火を予言した男の話」です。
1883年8月26日アメリカ──。
新聞記者であるエドはボストン・グローブ紙編集室で仮眠をとっていました。
「・・・っ!!?」
「・・・はぁ・・・っ!はぁ・・・っ!!」
夢の中でとても恐ろしい火山の大噴火を目撃し、飛び起きたエド。
あまりにも夢でみた映像が鮮明でリアルだった為、
近くにあった原稿用紙に夢の内容を事細かに書き留めた彼は
そのあと原稿を机に置きっぱなしのまま帰宅してしまいます。
翌朝、編集長がエドの机の上の原稿用紙に気づきます。
ジャワ島近郊の島「プラレイプ島」で大噴火が発生。
島のほとんどが吹き飛び、村は壊滅状態。
大量の溶岩が流れ出し、人々は海に飛び込んだが多数の死者がでた。
原稿用紙には、そう書かれてありました。
「これは──ッ!!特ダネだ!!!!」
その内容が、入電してきたばかりの事実だと勘違いをした編集長。
なんとエドに確認もせず、記事を新聞で発表してしまいました。
しかし、すぐにその記事が間違いであったことに気付きます。
ジャワ島付近には通信回線がない為、そこから入電できる筈がなかったのです。
しかも、図書館からは
「プラレイプなんて島は存在しない」とまで言われてしまいました。
怒った編集長は、即刻エドにクビを宣告し
謝罪文を新聞に載せるよう準備をすすめました。
その時です。
爆音、振動、津波・・・
世界各地から異常現象の情報が入ってきました。
そして──。
実際にジャワ島近郊で火山噴火が発生したことが確認されたのです。
場所はクラカトア島。
1883年5月から小規模の噴火が続いている島でした。
その島が1883年8月27日、大噴火を起こしたのです。
島にあった300以上の村が全滅、噴煙は上空約50kmにまで達し、約2週間ほどかけて地球を1周。
そのため世界各地で異常現象が発生したのです。
しかも、噴火時の振動は地球を7周し、各地で大津波が発生
36000人以上もの死者を出す世界最大級の噴火となりました。
つまり。
"ジャワ島近郊の島"「クラカトア島」で"大噴火が発生"。
"島のほとんどが吹き飛び"、"村は壊滅状態"。
"大量の溶岩が流れ出し"、"人々は海に飛び込んだが多数の死者がでた"のです。
島の名こそ違ったものの、
エドが見た夢とまったく同じことが起こりました。
そこでボストン・グローブ紙は謝罪記事を取り止め、
エドはクビをまぬがれたのでした。
──後に、とあることが分かりました。
それは、エドが夢でみた島の名前の謎・・・。
ある日オランダ協会から数100年前の古地図が送られてきたのです。
その古地図上では、現代のクラカトア島の位置には・・・
はっきりとプラレイプ島と記してありました。
そう。
つまり遠い昔、クラカトア島はプラレイプ島と呼ばれていたのです。
何故エドが昔の名を夢に見たのかは分かりませんが・・。
これでエドのみた夢が全て現実になったことが分かりました。
予知夢はたしかに存在するようです。